ネットショップ開業前に考慮したい費用と事業計画

ネットショップでの物販は、人件費やテナント料が削減できるため実際の店舗を開店する場合に比べ、コストが押さえられる。費用が少なくてすむ部分を価格に転嫁すれば、安い価格で売れるというのは至極もっともな考えだが、インターネットでの商売だから発生する費用がある。広告宣伝費だ。商売としてネット通販を成立させるためには、需要がある商品かつ、あなたのお店でしか扱っていないなどの特別な場合をのぞき、ほとんどの場合、宣伝や広告などのプロモーション活動が不可欠となる。

 

集客コストを考慮した価格設定で事業を計画する

Eコマースへの参入前に、なんらかのビジネスの経験があるネットショップのオーナーであれば、販促費用、その他の経費を含めた販売価格の決定というのは常識ともいえる考え方だが、他の分野から脱サラでの起業など、小売りや流通の分野での就業経験がない場合に考慮漏れとなりやすいのが、広告宣伝費という概念だ。プロモーションのコストを考慮せずに価格設定で事業を計画した場合に、現実との乖離が大きくなり、開業当初の前提が成り立たない場合が発生する。

 

ネットショップ運営の構成要素を理解する

商売の原則は安く仕入れて、高く売るといわれるように、売上から費用を引いた金額がお店にとっての利益である。このこと自体は誰でも知っている。しかし、ネットショップの開店後に、売上は上がったが利益が出ないというお店は驚くほど多い。そのような場合によく見受けられるのが、費用についての認識不足だ。 ビジネス経験のない一般人の場合にネットショップや小売りの費用というと商品の仕入れ代金に目が行きがちだ。しかしながら、ネットショップの運営には、人件費のほか、通信、光熱費など事務所の維持費、その他もろもろのコストが発生する。ネット通販事業の立ち上げ時には、売上を達成するための運営計画と掛かる費用を踏まえた上で計画を考えたい。

 

開店後のキャッシュフローを考慮する

黒字倒産という言葉があるように、会計上、利益が出ていてもキャッシュフローが回っていなければ企業活動は維持できない。現金での取引が主な、飲食店や小売店と違い、クレジットカードや代金引換など決済会社を経由した代金回収が主なネットショップの場合は、月末に発生する各種支払いに対して、あてにしていた売上の入金が翌月にずれ込む場合があったりと、支払いサイトに留意する必要がある。売上規模が順調に成長推移していった場合の資金の手当てができていないと、売上が上がっているのに口座に現金がないという自体に陥り事業が停滞してしまう。

 

計画を立てた上で、開業後に軌道修正を行う

もちろん、計画はあくまで計画であり、すべてを完全に予定通りに進めることは困難であるため、実際にやってみながら試行錯誤や軌道修正をしていくほうが早いというのはまさにその通りである。成功するために、まずはものごとに着手してみる。ネットショップを始めてみるという姿勢は大切だ。しかしながら、それぞれが保有しているリソースは有限であり、すべてを行き当たりばったりに実行してしまうと、本来上手くいくことも上手くいかなくなってしまうため、その点には注意が必要だ。しっかりと計画を立てたうえで、本来のPDCAサイクルを回していくよう心がけよう。