これからのECサイト運営と集客方法としてのコンテンツマーケティング

Eコマースの領域に関わらず、Webマーケティングの手法として、注目が集まっているのがコンテンツマーケティングだ。競合となるショップの参入が増え、ますます競争の激化が予想される、これからのネットショップ運営にとって、他店との差別化や自店のブランディングを行う際に、独自コンテンツへの投資は是非とも検討したい事柄だ。

 

開店後の集客を見据えてECサイトを始める

これからECサイトを始める場合はもちろん、既存サイトの集客についてテコ入れを図る場合にも、まずは現在の状況を理解するべきだ。ネット通販が始まったばかりの頃に比べ現在では、ショップを取り巻く外部環境が大きく変化している。

ネットショップを取り巻く状況の変化

現在では、ユーザーのインターネット利用が一般化し、PC、スマートフォンタブレットなど閲覧するデバイスが多様化している。インターネットの活用方法も、従来の検索からサイト閲覧という流れ以外に、ソーシャルメディアやキュレーションサイトからの流入が増えるなど、これから、Eコマースに参入する場合には、ネットショップを取り巻く状況が、以前とは大きく変わっている点を理解する必要がある。

検索されるに加え、シェアされるための視点が必要に

従来から引き続き、検索エンジンの検索結果で自社のECサイトが上位に表示されるためには、他のサイトから紹介される(リンクを貼られる)コンテンツが増えて行くようなサイト設計、店舗設計を行うことはECサイトを運営する上で、重要な事柄だ。新たに加わった観点としては、いかにtwitterfacebookなどのソーシャルメディアでシェアされるようなコンテンツを提供できるか?や、スマホ対応などデバイスをまたいだユーザーの利用にどのように対応するか?という視点がこれからのコンテンツ制作や、ECサイト構築には欠かせない問いかけになっている。

検索エンジン対策の変化

近年、Googleが検索のアルゴリズムを大幅に変更した。パンダアップデート、ペンギンアップデートと呼ばれる変更によって、コピーサイトや質の低いサテライトサイトなど重複コンテンツによって評価を失うケースが発生した。また、Googleから質が低いと判断されたリンクや有料リンクがペナルティの対象となったり、検索順位の並び順を決める仕様上で従来は許容範囲だった作為的なSEOがサイトの上位表示にとって不利に働くように変化している。

 

一昔前は、開設初期のネットショップに対して、各種ネットショップランキングへの登録や相互リンクの実施、有料のディレクトリ登録サービスの購入などが被リンク獲得の手法として推奨されたが、現在では、そのような方法は検索エンジンからペナルティを受ける対象となるリスクをはらんでいる。

 

その結果、ユーザーにとって有益なコンテンツを届けることで、自社のサイトに自然にリンクを集めるホワイトハットSEOと呼ばれる手法が見直される流れとなった。独自コンテンツの作成により、外部からのリンクを獲得していく正統派の検索エンジン対策である。しかしながら、ネットショップは商品を売るためのサイトであり、商品情報を登録することで、ある程度サイトの体裁をとってしまう。この点が、通常のWebサイトやメディアとは異なる点であり、多くのEC事業者にとって独自の情報発信というと、敷居が高く感じられてしまうのではないだろうか。

今の時代の集客方法「コンテンツマーケティング」

コンテンツマーケティングを簡単に説明すると、ユーザーの役に立つ情報発信を行うことで、見込み客をショップに集め、お店の売上をあげること。つまるところ、従来からSEOの世界で言われてきたコンテンツイズキングを体現した概念だ。概念だけで考えると具体的にどうすればよいかわからない場合も多いだろうが、コンテンツマーケティングは、ネットショップ運営と親和性が高い集客手法である。

ECサイトだからできる情報発信とは

読者にとって有益な情報を作るというと難しいイメージがあるかもしれない。たしかに、サイト上にアップするコンテンツの内容を0から考えることは大変な作業になる。文章を作ったり、継続的に更新していくということは、かなりの労力を伴う。しかしながら、ネットショップとコンテンツマーケティングが相性が良いというのには理由がある。なぜなら、売る商品があるという点で、ECサイトは発信する情報に事欠かないからだ。